退場の歴史1
最初の退場は2014年3月。
それまでは快調だった。
2012年末の安倍政権からアベノミクス相場は誰でも儲かる大相場で、儲けは過去数年間の損を軽く上回り「現実世界はともかく、相場なら自分は勝てる」と全能感に満ちていた。
そして運命の2014年3月1日土曜日、ロシアのクリミア侵攻である。
愚かにも金曜日に先物買を大量に持っていたのだ。
週を跨いでポジションを持つことの危険性は理性では認識していたのに「相場は上がり調子なんだから多分何とかなる」と放置していたのだ。
次の日曜日は不安でたまらず、常にソワソワして挙動不審だった。
そして週明け、市場開けと同時に全額損切り。マイナス120万円。
ここまでなら今までの利益半減で済んだ。
そこからパニックが始まる。
損失に目を剥いて「これをすぐに取り戻さないと」と錯乱状態でハイレバ取引を繰り返し、尽く大損。最後に「明日から世界経済は大混乱で暴落相場になるはず」と先物の大量売を持ち越す。
翌日、市場は元に戻り恐慌状態でロスカット。
マイナス300万円。
最初と合わせて2日でマイナス420万円。
更にFXでもハイレバ取引をしていたのでマイナス80万。
1ヶ月の損失額は500万円を超えた。
流石にネット証券にログインするのも嫌になり半年は相場から離れることになる。
しかし永久退場ではなく半年後には性懲りもなく復帰するのだった…